地域猫の作り方

野良猫と地域猫の研究

地域猫の現場で伝染病猫パルボが出た場合

短期間に外猫が何匹も死ぬ病気がある。
パルボウィルスによって急性腸炎を起こす伝染病だ。

最初の1匹目の死はいきなりやってくる。高熱が出てエサを食べないなと思っていると、何度も吐いて、下痢をして突然死にいたる。経過は1~3日くらい。動物病院に運んだ時にはすでに亡くなる間際のことが多い。
この時点では交通事故や毒物中毒なども疑っているが、2匹目の同じ症状が出ると伝染病が濃厚になってくる。
高熱、嘔吐、白血球の減少、伝染性がキーワードになる。

猫パルボがほぼ確定になったら、何をすべきか?
感染を拡大させないために、すぐに行動に移らなければならない。
予防対策が第一優先になる。

動物病院に消毒薬ビルコン(またはグルターZ)、タミフル、猫インターフェロン、を大至急確保してもらう。
死亡した猫に触れたものはなるべく捨てる。
嘔吐物、便などは処理したあとに50~100倍濃度ビルコン液で消毒する。(手袋マスク装着)

ビルコン


同じエサ場に来る猫は感染の可能性が高い。この時点で、すでに潜伏期間かもしれない。(発症まで2~12日)
このまま発症まで黙って見ているわけにはいかない。発症すれば死ぬ確率が高いからだ。

予防注射は3週間以上先でないと効果が期待できないので、このケースでの使用には疑問がある。
捕獲できる猫は、猫インターフェロンの注射を数回する。(速やかな免疫力アップを期待)
エサを食べにくる猫には、タミフルを1日2回5日間エサに混ぜる。(ウィルスの増殖を抑制する効果を期待)
予防注射以外は効能外の使用であるが、他に選択肢がないので、試してみる価値はある。

発症した猫が死亡する大きな原因は、嘔吐による脱水と敗血症と言われている。これにはリンゲルやブドウ糖液の輸液と抗生物質で対応する。
数日間頑張りぬいて、免疫力でウィルスを撃退できた猫は回復に向かう。通常、発症後3日が山である。

パルボウィルスは2年間生きているとか高温でも死なないとかウワサがある。毒性が強く不死身のようなウィルスだが、接触しても生き残る猫がけっこういる。そして数週間で感染の拡大が終息することが多い。
これは予防注射を受けたことがなくても、自然免疫を持っている外猫がいるのだと考える。
経験的に若い猫ほど死亡率が高く、歳を取った猫ほど生き残る傾向がある。

この病気、感染ルートを確定するのがすごく難しい病気と言える。
嘔吐物や便が処理されず、乾燥して人の靴の裏などに付いて、ウィルスが拡散されているかもしれない。発情の季節には猫の行動範囲も広がる。TNRの現場でも人が拡散してしまう可能性がある。

現在のところ最も確かな対策は、捕獲時に1回でもいいから予防注射を打っておくことだ。
費用はかかるが、1回と0回では死亡率にかなり大きな差が出る。



テーマ:野良猫と地域猫 - ジャンル:ペット

  1. 2012/12/27(木) 15:40:04|
  2. 地域猫

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