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地域猫の作り方

野良猫と地域猫の研究

ここは野戦病院

捕獲された野良猫は怒っている。
狭い檻に閉じ込められても、その瞳は闘志に燃えている。体中にアドレナリンが巡り、人間をにらみつけ反逆の気を発し続けている。
カーッという威嚇音と同時に、不自由な左手で猫パンチを繰り出す。
飲水の入った皿がひっくり返る。
と同時に血しぶきが周囲に飛び散る。
左手の先はない。
手首から少し上の部分がきれいに切断されている。切断面の肉が露出して血が滴り落ちている。
何度も何度も空しい猫パンチが檻や床を叩く。
そのたびに血しぶきが散る。
痛いはずである。痛みを感じていないのだろうか。怒りは痛みを麻痺させるのかもしれない。
かなり前から左手はなかったようだ。
エサやりさんがそう言っていた。おそらく電車事故であろう。
自動車の場合これほどきれい切断されることはない。実際この猫は電車の線路をよく横断していたそうだ。
歯を見るとかなり年をとっている。一瞬の油断が招いた事故だろう。野良猫としてうかつだった。
足一本なくたって野良猫は生き続けていける。足二本だとたぶん無理だろう。一本でまだ良かったのかもしれない。
明日、肘から切断の手術を受ける。
それが最善の処置なのだ。肘より先の部分の切断だと歩行の時に地面に着き、体重をかける。肉球がない皮膚はクッションがないため擦り切れ破れる。そのため絶えず出血を繰り返す。破れた皮膚から細菌感染をおこしさらに上の部分までダメージを受ける。生涯にわたって傷は癒える事がない。
おそらく猫はそのことが理解できないであろう。
ただ怒りに身を任せる。
保護された幸運がわかるかどうか。
隣では息も絶え絶えの猫が横たわっている。これも野良猫。数日前保護された。明日はないかもしれない。
ここは野戦病院。
治してはまた戦場に送り出す。
すさまじき世界がここにもある。

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テーマ:野良猫と地域猫 - ジャンル:ペット

  1. 2008/12/15(月) 23:16:05|
  2. 野良猫
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