
猫の年齢鑑定というのは歯で見る。
牙と牙の間に門歯という小さな歯が上に6本下に6本ある。切歯とも言う。最初にすり減るのが上の門歯。次に下の門歯。このすり減り具合で大まかな年齢を推測する。
あと奥歯の汚れ具合。歯石の付き方も参考になる。
歳を取るにつれて門歯がすり減り、歯石が増え、抜け落ちる歯も増える。
最初に抜け落ちるのは門歯、ついで奥歯の臼歯、牙の犬歯という順に抜けることが多い。
飼い猫であっても、人の気がつかないうちに抜けてなくなっていることがほとんどだ。
抜ける原因のトップは歯石から歯肉炎、歯槽膿漏になって抜ける。
歯石というのは唾液の中のミネラルが結石となって歯に付着するものだ。唾液の成分は体質によって違うから、付きやすい猫と付きにくい猫がいる。
歯石の周囲には細菌が繁殖して巣を作っている。口臭の原因のほとんどはこれだ。しばらくすると歯槽に細菌が侵入し、歯が抜ける要因になる。
歯が全部抜けてしまっても元気に暮らしている野良猫がいる。
本来野生の動物は、歯がなくなればこの世から引退しなくてはならない。食べることと身を守ることに歯はたいへん重要な役割を果たしている。
猫の場合、獲物を噛み殺し、肉にかぶりつき引き裂く。歯がなくなるとこれができない。それでも健康で生きていられるのは、キャットフードを食べているからだ。
キャットフードは歯がなくても食べることができる。缶詰のフードもドライフードもただ飲み込めばいいのである。もともと猫は食物をよく噛むと言うことをしない。牙で引き裂き、奥歯でおおざっぱな大きさにして飲み込んでしまう。それで生きていける。
キャットフードという発明がなければ、世の中に歯のない野良猫はいなかっただろう。





