野良猫のTNRを始めると猫の個体識別が必要となる。手術が済んだ猫とそうでない猫を見分けなければならない。
耳に何かしらのマークを付けることが世界共通のやり方だ。
耳を見れば誰でもわかる。捕獲する前に識別できる。
マイクロチップは個体識別の方法の一つであるが、誰にでもわかるというものではない。専用のリーダー(読みとり機)を猫に近づけないとわからない。またマイクロチップにはいくつかの規格があって、すべての規格をひとつのリーダーで読みとることはできない。
読みとったデーターには個人情報が含まれるということで、限られた人しか内容を知ることができない。
つまり猫の捕獲現場では判別ができないということになる。
捕獲された猫が動物病院に持ち込まれ、マイクロチップの有無を調べる。ここで静岡で起こった話がひとつある。マイクロチップの読みとりミスが起こって、開腹手術されてしまっている。おそらくリーダーの感度に問題があるのだろう。狂暴であまり近づけない猫の場合、読みとりには相当苦労するはずだ。
もし動物管理センターで読みとりミスがあった場合は命にかかわることだ。
マイクロチップが役に立つ場面というのは、海外渡航する場合と迷い猫が動物管理センターに保護された場合だ。猫の所有者が明確にわかるという点ではたいへんに優れている。つまり所有者がハッキリしている犬や飼い猫には向いている。
猫というのは生涯何度も飼い主を変えるのがいる。フラリとやってきて居心地が良いと住みつき、他にもっと良い場所があれば家出をして、よその猫になっている。そういう飼育形態は今も多いのが現実だ。この場合、猫の所有権は非常にあいまいになる。ここが猫の登録制の一番の問題となる。
野良猫の不妊手術に助成金を出す自治体がある。
これに指定された動物病院でマイクロチップ取り付けを条件につけるところがある。個体識別の選択肢がたくさんある中で、一部の団体のやり方だけに限定してしまうのは弊害が大きい。他の方法の良いところも取り入れるべきである。マイクロチップ以外は認めないとか、指定した病院以外は助成金を使えないとかするのは、公正な税の使い方とはいえない。
住民は野良猫が増えないことを望んでいるのである。そのために地域猫という市民活動が起こってきた。それに対する助成金のはずだ。あまり条件を多く付けると、せっかく育ってきた地域猫にブレーキがかかってしまう。
猫ボランテイアの現場の声はこうである。
行政の業者指定はやめてほしい。
マイクロチップ以外の方法も認めて欲しい。
★飼い主のいない猫・手術助成金の不思議(アニマルウエルフェア連絡会HPより)





