

この10年で耳カットは普及した。都内を歩いて見かける猫の多くは耳カットしてある。
外猫の個体識別方法にはいろいろな試行錯誤があったが、今のところ耳カットと写真が見分ける標準である。
普及したポイントは以下である。
■捕獲しなくても、だれでも見分けられる。
■生涯に渡って識別できる。
■大きく健康を害しない。
マイクロチップも20年以上の歴史はあるが、外猫の識別にはほとんど利用されていない。
なぜか
まず情報を読み取るリーダーという機器を持っている人が少ない。
持っていても、さわれる距離まで近寄らないと読み取れない。(今のリーダーは読取距離3cm)
読み取れても英数字の羅列で、解読するにはさらに手続きが必要となる。
外猫の個体識別として普及するには現在の性能のままではダメだ。
改良点を以下に提言する。
■3m以上離れていても読み取れること。
■リーダーの値段が安く多くの人が持てるようにすること。
■TNRの年月日、場所、動物病院くらいの情報はだれでもその場で読めるようにすること。
スマホのカメラでQRコードを読み取れば、実に多くの情報がわかる時代になった。マイクロチップのシステムももっと進化できると感じる。
- 2019/03/02(土) 12:32:01|
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「野良猫の捕獲と不妊手術は認める。しかし戻しては困る、どこかへ連れて行け。」
この意見はよくあります。
殺処分や捨て猫を要求しているわけではないから、手術してシェルターや個人宅に収容しろということです。
ではそうすると何が起こるか?
短期的には「バキュームエフェクト」という現象が起こります。
猫がいた場所にはエサ場が複数あるはずです。そこにいままでいた猫が戻ってこないと、隣接地域から新たな猫が侵入してきます。
エサ場は飼い猫用と野良猫用の区別がありません。取り締まる法律もありません。侵入阻止も困難です。
長期的には保護猫の収容数が増え続け、シェルターが破綻します。個人の場合「多頭飼育崩壊」すると猫が野に放たれることもあります。破綻させないためには譲渡活動が必要です。
広域の再開発でエサ場が完全消滅した場合と離島では「バキュームエフェクト」は起こりません。
- 2018/11/30(金) 14:54:40|
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耳カットの目的は、外猫が何度も捕まって手術されることを防ぐことにある。
数メートル先から、肉眼で誰でもわかるようでないと困る。
地域猫活動の普及で、行政のパンフレットなどでも広報されるようになってきた。
手術によく使われる道具:ハサミ、メス、鉗子、電気メス、焼灼器、止血剤、止血パウダーなど
術式や形や大きさ部位などは獣医師によって違ってくる。
耳カット猫は近年、保護猫の譲渡会でもよく見かけるようになってきた。
子猫もいるが年数を経た保護猫もいる。
観察してみるといくつか気が付くことがある。
耳カットは人為的な外傷と考えると、
治癒とともに形が変化してくることがよくある。
■小さすぎる耳カットは、
毛が伸びるとわからなくなることがある。
■大きすぎる耳カットは、先端が重力でだんだん下に垂れてくる。
■加熱止血は丸みを帯びた形になる。
外で暮らしている場合は、小さすぎるよりも大きすぎるほうがまだよい。
しかし譲渡会に出るとなると、見た目の形も気になってくる。
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- 2017/09/26(火) 15:40:04|
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TNRは出産後40日間はお休みするのが普通だが、出産に気がつかないで捕獲されることがある。
手術中に子宮を見て、初めて出産直後とわかる。
□ふだん世話をしていない人が捕獲した場合。
□妊娠の兆候が乏しく、腹部が目立たなかった場合。
□出産直後でミルクの分泌がまだ弱い場合。
□流産した場合
新生児の生存は不明なので、通常通りに手術が行われる。
育児を継続する可能性を考えて、なるべく最短でリターンする。
「手術で卵巣と子宮を取ったら、ミルクも出なくなるのではないか」
と言う人があるが、心配はない。
ミルクの分泌は、子猫が吸う刺激で脳下垂体から出るホルモンが関与している。
卵巣がなくても、子猫が吸っている間はミルクが出続け、育児が継続できる。
多くの場合、2か月後に子猫を連れてエサ場に現れる。
獣医師はこのことをよく説明しておく必要がある。
「手術をしたはずの猫が子猫を連れて出てきた。本当に手術したのか?」
と苦情が来ることがあるからだ。
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- 2017/05/01(月) 11:14:04|
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譲渡会に訪ねて来た方からの相談。
3月30日に外猫が出産し、現在屋外で子育て中とのこと。
母猫は馴れていない。
会場内で、現場に近い猫ボラさんスタッフを紹介。
離乳する生後40日までは母猫に子育てをしてもらう。
エサをあげ続け、警戒して引っ越しをされないように見守る。
5月9日から親子の捕獲開始。
まず母猫の捕獲を優先。
次に子猫を保護して里親探し。
親子同時捕獲の場合もある。
子猫の保護は生後40日~50日がベスト。
この時期だと警戒心が乏しいので手づかみで保護できる。
早すぎると人工哺乳を人間がやらなくてはならない。
遅すぎるとと警戒心が強くなり、人に馴れにくくなる。
里親探しのお手伝いは、母猫の不妊手術が条件になっている。
子猫を取り上げると、間もなく母猫に発情が来るのがわかっている。
母猫TNRを先延ばしすると、2~3か月後にまた妊娠出産を繰り返す。
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- 2017/04/24(月) 13:34:01|
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たまたま狙っていた猫が油断をしていて、身近なもので捕獲してしまうことがある。
猫ハウスの中に閉じ込めたり、スーパーのカゴをかぶせたりして捕獲した場合。
逃げないように手で必死に押さえる。
まず電話で応援を呼ぶ。
テープやヒモや板を持ってきてもらう。
段ボールや発泡スチロールは数時間で破壊されることが多い。
ネットやチャック付き布団カバーで包むのがベスト。
ここから捕獲器や小ケージに移し替える。
室内ならばトイレや浴室など狭い部屋に2つを入れる
動物病院なら大型犬用の犬舎がベスト
猫は脱走できないとわかると
狭い場所に隠れる習性がある
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- 2017/04/17(月) 16:30:06|
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1月2月は
猫の発情期
3月は
妊娠のピーク
TNRのNから見た
卵巣と子宮の変化
発情から妊娠へと移行するに伴って、手術のリスクが上がる。
人にも猫にもリスクは少ないほうがいい。
桜の開花と猫の出産は重なる。
出産前に早めのTNRを。
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- 2017/01/13(金) 21:20:34|
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猫ボラさんから依頼されて、持ち込まれたトラップは踏み板式でメーカーは不明。
扉が閉まったときに遊びがあって、猫が中から押すと隙間が拡がって脱走する。
扉左下(正面から見て)の連結部分が2本腐食して折れている。

折れた部分をペンチで取り外す。

溶接技術がないので、#12針金をM字に曲げ加工して連結。結束バンドで補強。

修理後、扉を上げてセットしたところ。左から2本の縦連結部分が継ぎ足した針金。
正常に作動するのを確認。
扉が閉まったときの隙間も確認。
修理完了。
捕獲器の修理のほとんどはフック部分の引っ掛けが甘くなるもの。ペンチで曲げたりヤスリで削ったりで対応できるのが多い。
フックがへし折れたのもあった。捕獲器はほとんど手作り品で部品のサイズがバラバラだ。折れた部品は#12?10針金やステンレスピンを曲げ加工してコピー品を作り交換する。
今回の修理は溶接技術があればいいのだが、素人の修理ではこれが限界。
テーマ:野良猫と地域猫 - ジャンル:ペット
- 2010/11/26(金) 10:59:53|
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動物の捕獲には鳥獣保護法と動物愛護法が関係する
鳥獣保護法は野生動物をむやみに殺傷することを禁じている。駆除を目的とした捕獲は行政の許可がなければできない。
動物愛護法は家畜やペットの虐待や遺棄を禁じている。殺傷や遺棄を目的とした捕獲は違法性が高い。
TNRの場合は保護や医療行為の目的での捕獲になる。
やり方も人道的な方法でなくてはならない。
捕獲器具で動物を殺傷するものは使用されない。
一般的に使用されるものは、人道的捕獲器ヒューメイントラップと呼ばれている。
間違った使いかたをすると、鳥獣保護法違反または動物愛護法違反で逮捕される可能性もある。
TNRで知っておいてもらいたい捕獲の基礎知識である。
「TNR?Tシャツ2010」 注文受付け7月19日まで
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テーマ:野良猫と地域猫 - ジャンル:ペット
- 2010/07/15(木) 08:47:29|
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